The TRAVELERS Chateau Tateyama · Owner Proposal

水盤管理 運用改善
ご提案書

鏡面池の意匠を維持したまま、年間36日の管理工数を 8〜12日へ圧縮。
池への加工・常設物の追加を行わず、最小投資(3〜5万円)で実現します。

The TRAVELERS Chateau Tateyama 全景
2026.05.24 / 運営部 大竹
01 · Now

現状の管理工数
年間およそ36日を要しています。

海風により大池底に飛来砂が広く薄く堆積するため、
月1回の全水抜き清掃(水抜き1日+清掃2日)を実施しています。

3DAYS / MONTH
1回あたりの全水抜き清掃工数
12TIMES / YEAR
現状の清掃頻度
36DAYS / YEAR
年間総工数(人日換算)

同時に発生している周辺課題

大池の現状
大池 — 飛来砂が広く薄く堆積
池底の砂堆積
池底の砂堆積状況
内池の藻発生
内池 — 藻(毛状)の発生
02 · Value to Protect

本水盤は建築意匠の中核と定義します

改善方針を定める前提として、対象物の位置付けを明確化します。
本水盤は装飾池ではなく、建築意匠を映し出すリフレクティングプール(鏡面池)であり、
意匠条件はコスト・工数より優先されます。

鏡面の映り込み
建築を映し出す鏡面 — 保持すべき意匠
水盤全景
水盤全景 — 透明性とミニマル性
DESIGN CONSTRAINT

ミニマル・透明・建築の映り込み——これらを保つことが絶対条件です。
以下のアプローチは、たとえ管理が楽になっても採用いたしません。

  • 魚・水生植物の導入によるビオトープ化
  • 池内に視覚的ノイズとなる恒久設備の常設
  • 池底タイルへの穴あけ・ピット掘削などの建築への加工

今回の提案範囲

03 · Three Principles

改善の3原則

触れずに保つ
池に手を入れる頻度を構造的に減らす。掃除を「頑張る」のではなく、汚れない仕組みに置き換える。
景観を損なわない
池の中・水面・周辺の視覚情報を変えない。装置はすべて池外、または岩陰など見えない位置に。
DIY範囲
業者改修を待たず自分達で実施できる規模・予算に収める。段階的に始め、効果を見ながら拡張可能に。
04 · Overview

改善は三段の構えで取り組みます

清掃に頼る発想を捨て、「汚れない仕組み」を構造として組み込む三段防御です。
池の意匠には一切手を入れず、すべて池外の設備と運用ルールで完結します。

① 砂対策
小型沈砂を分散配置 × こまめなメンテ。1人で動かせる大きさを原則とし、現地スタッフがその場で対処できるサイクルに。
② 循環見直し
取水前のミニ沈砂槽でフィルター・ポンプの砂負荷を激減。循環ポンプ寿命と清掃頻度の双方に効く。
③ 塩素管理
残留塩素を高めに維持(生体ゼロのため遠慮なく投入可)。DPD試薬で週1測定し、藻・ボウフラを薬剤で構造的に抑止。

「停滞させない × 砂を抜く × 薬剤で抑える」の三段防御が揃うことで、池本体に手を入れない運用が成立します。

05 · Sand Control

① 砂対策小型沈砂 × 分散配置
——「1人で動かせる」を原則に

大型タンク1台で全部受けるのではなく、現地スタッフがその場で動かせるサイズの小型沈砂を複数組み合わせます。
器具が大きいと現場で誰も動かせず結局運用が止まる——その失敗を避けるための設計判断です。

方針

候補機材

器材合計 1〜5万円 DIY運用 景観影響 ゼロ

※ 当初検討した大型ノッチタンク500Lは「現地で動かせない」「サイクルが粗くなる」ため不採用。
装置を大きくするのではなく、運用サイクルを細かくする方向に振りました。

現場写真
大池周辺 — 沈砂機材の分散配置候補ポイント
現場写真
風下側の砂堆積エリア
現場写真
取水パイプ周辺 — ミニ沈砂槽設置想定箇所
06 · Circulation

② 循環見直し停滞をなくす
——汚れの根本を断つ

内池・外池の清掃が最も負担です。原因は水の停滞
循環を強化し、同時に取水経路に小型沈砂を入れて
フィルター・ポンプの寿命を伸ばします。

取水前ミニ沈砂槽の追加(メインの打ち手)

撹拌ポンプの吐出方向見直し(コストゼロの効き手)

追加費用 1〜3万円 既存設備の活用 即実施可

※ 内外池の独立循環ループ化は当面実施せず、上記の効果を見てから判断。
多くの場合、ここまでの打ち手で十分機能する想定です。

循環設備
循環設備周辺の現状
撹拌ポンプ周辺
撹拌ポンプ周辺 — 死水域への吐出方向見直し対象
07 · Chlorine Protocol

③ 塩素管理手動投入+週1測定で
藻・ボウフラを構造的に抑止

自動塩素投入機は故障の疑いがあり、修理を待たず手動投入運用に切り替えます。
プール水質基準に準じた管理プロトコルで、十分な抑止効果が見込めます。

運用プロトコル

項目運用頻度
残留塩素高めの濃度を維持(生体ゼロのため遠慮なく投入)常時
DPD試薬測定残留塩素濃度を計測し、ログ記録週1回
塩素手投入測定値に基づき次亜塩素酸ナトリウム等を投入週1〜2回

留意点

初期費用 1万円以内 年間ランニング 数万円 即実施可

08 · Phased Plan

3段階の実施プラン

投資判断を一度に求めるのではなく、効果の確実性が高い手から順に着手します。
各段階で効果を確認しながら、次の投資判断を行える設計です。

段階時期施策コスト
Phase 1 即実施
今週中
塩素管理プロトコル開始(手投入+DPD週1測定)
撹拌ポンプの吐出方向見直し(死水域解消・コストゼロ)
・UV殺菌灯漏電原因のテスター切り分け
1万円以内
Phase 2 1〜2ヶ月以内 小型沈砂トレイ複数台を大池内に分散配置
取水前ミニ沈砂槽追加(循環系統の延命)
・手動ポンドバキューム導入(必要に応じて)
・UV殺菌灯部品手配と本復旧
3〜5万円
Phase 3 効果検証のみ
3〜6ヶ月後
・Phase 1・2の効果検証(清掃頻度・水質ログ)
・想定通りなら追加投資なしで本運用へ移行
・想定外の課題があれば、その時点で対策を再検討
0円

※ 装置を増やすのではなく、運用サイクルで回す方針です。Phase 3は追加投資を前提としません。

09 · Investment

投資総額の2つの選択肢

推奨 · 運用ベースコース

3〜5万円

本提案の基本路線。装置を最小限に抑え、運用サイクルの細やかさで結果を出す。「お金をかけずに是正する」が出発点

  • Phase 1(即実施)1万以内
  • Phase 2(1〜2ヶ月)3〜5万
  • Phase 30円

装備強化コース(参考)

およそ 20万円

運用ベースコースで想定外の課題が残った場合の上位プラン。中型沈砂タンク本格導入+取水経路の小改修+自動投入機の修理など。原則は採用しない

  • 沈砂設備本格導入8〜12万
  • 取水経路改修3〜5万
  • 自動投入機修理ほか3〜5万

※ 基本路線は運用ベースコース。装備強化コースは「現状の運用改善で解決できない場合の備え」として参考提示。

10 · Expected Outcome

導入後の運用イメージ

BEFORE
36 日/年
月1回 × 3日(水抜き+清掃)
AFTER
8〜12 日/年
年2〜3回のシーズンリセットのみ

日常運用の姿

付随する改善効果

11 · Why This Matters

これはコスト削減ではありません。

月に3日 × 12ヶ月 = 年36日が水盤管理だけに費やされていた状況、
——その非効率そのものを是正するのが本提案の出発点です。

圧縮された時間は、どこへ向かうか

水盤管理から解放される年20日以上の現場時間は、節約として消えるのではなく、
これまで手が回っていなかった敷地内の他の領域へ再投資されます。

結果として何が変わるか

水盤の美しさが標準化されると同時に、敷地全体の細部の質が一段上がります
コストの削減ではなく、同じ運営コストでより上質な状態を実現することが目的です。
現在の投資額(3〜5万円規模)は、この目的に対して適正な範囲だと判断しています。

ご承認のお願い

Phase 1(即実施・1万円以内)について本ご提案の承認をいただきたく、お願い申し上げます。
Phase 2 の実投資(3〜5万円)は Phase 1 の効果検証後にあらためてご相談いたします。

ご提案 / 株式会社YAMATO 運営部 大竹
ご質問・ご指示は本資料へのご返信にてお願いいたします。

The TRAVELERS Chateau Tateyama · 2026.05.24