鏡面池の意匠を維持したまま、年間36日の管理工数を 8〜12日へ圧縮。
池への加工・常設物の追加を行わず、最小投資(3〜5万円)で実現します。
海風により大池底に飛来砂が広く薄く堆積するため、
月1回の全水抜き清掃(水抜き1日+清掃2日)を実施しています。



改善方針を定める前提として、対象物の位置付けを明確化します。
本水盤は装飾池ではなく、建築意匠を映し出すリフレクティングプール(鏡面池)であり、
意匠条件はコスト・工数より優先されます。


ミニマル・透明・建築の映り込み——これらを保つことが絶対条件です。
以下のアプローチは、たとえ管理が楽になっても採用いたしません。
清掃に頼る発想を捨て、「汚れない仕組み」を構造として組み込む三段防御です。
池の意匠には一切手を入れず、すべて池外の設備と運用ルールで完結します。
「停滞させない × 砂を抜く × 薬剤で抑える」の三段防御が揃うことで、池本体に手を入れない運用が成立します。
大型タンク1台で全部受けるのではなく、現地スタッフがその場で動かせるサイズの小型沈砂を複数組み合わせます。
器具が大きいと現場で誰も動かせず結局運用が止まる——その失敗を避けるための設計判断です。
器材合計 1〜5万円 DIY運用 景観影響 ゼロ
※ 当初検討した大型ノッチタンク500Lは「現地で動かせない」「サイクルが粗くなる」ため不採用。
装置を大きくするのではなく、運用サイクルを細かくする方向に振りました。



内池・外池の清掃が最も負担です。原因は水の停滞。
循環を強化し、同時に取水経路に小型沈砂を入れて
フィルター・ポンプの寿命を伸ばします。
追加費用 1〜3万円 既存設備の活用 即実施可
※ 内外池の独立循環ループ化は当面実施せず、上記の効果を見てから判断。
多くの場合、ここまでの打ち手で十分機能する想定です。


自動塩素投入機は故障の疑いがあり、修理を待たず手動投入運用に切り替えます。
プール水質基準に準じた管理プロトコルで、十分な抑止効果が見込めます。
| 項目 | 運用 | 頻度 |
|---|---|---|
| 残留塩素 | 高めの濃度を維持(生体ゼロのため遠慮なく投入) | 常時 |
| DPD試薬測定 | 残留塩素濃度を計測し、ログ記録 | 週1回 |
| 塩素手投入 | 測定値に基づき次亜塩素酸ナトリウム等を投入 | 週1〜2回 |
初期費用 1万円以内 年間ランニング 数万円 即実施可
投資判断を一度に求めるのではなく、効果の確実性が高い手から順に着手します。
各段階で効果を確認しながら、次の投資判断を行える設計です。
| 段階 | 時期 | 施策 | コスト |
|---|---|---|---|
| Phase 1 | 即実施 今週中 |
・塩素管理プロトコル開始(手投入+DPD週1測定) ・撹拌ポンプの吐出方向見直し(死水域解消・コストゼロ) ・UV殺菌灯漏電原因のテスター切り分け |
1万円以内 |
| Phase 2 | 1〜2ヶ月以内 |
・小型沈砂トレイ複数台を大池内に分散配置 ・取水前ミニ沈砂槽追加(循環系統の延命) ・手動ポンドバキューム導入(必要に応じて) ・UV殺菌灯部品手配と本復旧 |
3〜5万円 |
| Phase 3 | 効果検証のみ 3〜6ヶ月後 |
・Phase 1・2の効果検証(清掃頻度・水質ログ) ・想定通りなら追加投資なしで本運用へ移行 ・想定外の課題があれば、その時点で対策を再検討 |
0円 |
※ 装置を増やすのではなく、運用サイクルで回す方針です。Phase 3は追加投資を前提としません。
本提案の基本路線。装置を最小限に抑え、運用サイクルの細やかさで結果を出す。「お金をかけずに是正する」が出発点。
運用ベースコースで想定外の課題が残った場合の上位プラン。中型沈砂タンク本格導入+取水経路の小改修+自動投入機の修理など。原則は採用しない。
※ 基本路線は運用ベースコース。装備強化コースは「現状の運用改善で解決できない場合の備え」として参考提示。
月に3日 × 12ヶ月 = 年36日が水盤管理だけに費やされていた状況、
——その非効率そのものを是正するのが本提案の出発点です。
水盤管理から解放される年20日以上の現場時間は、節約として消えるのではなく、
これまで手が回っていなかった敷地内の他の領域へ再投資されます。
水盤の美しさが標準化されると同時に、敷地全体の細部の質が一段上がります。
コストの削減ではなく、同じ運営コストでより上質な状態を実現することが目的です。
現在の投資額(3〜5万円規模)は、この目的に対して適正な範囲だと判断しています。
ご承認のお願い
Phase 1(即実施・1万円以内)について本ご提案の承認をいただきたく、お願い申し上げます。
Phase 2 の実投資(3〜5万円)は Phase 1 の効果検証後にあらためてご相談いたします。
The TRAVELERS Chateau Tateyama · 2026.05.24